構造と作動

CAN通信システム

CAN通信システム構成

  1. 構成
    1. CAN通信システムネットワーク
      1. CAN通信システムを構成するコンピューター(ECU)およびセンサーは,通信線を用いて各種のデータを送受信することにより,ABS・ブレーキアシストなどの制御を行います。
      2. ステアリングアングルセンサーとスキッドコントロールコンピューター間のCAN通信線(バス)を本線とし,ヨーレート・Gセンサー・DLC3が支線で結線されています。
      3. □ 参 考 □
        * : 終端抵抗(120Ω)はバス本線に設けられています。これにより,ループ結線されているネットワークから差動電圧を判断することができます。

        CAN通信システム対応コンピューター(ECU)・センサー一覧
        コンピューター・センサー名称
        主な制御機能
        スキッドコントロールコンピューター
        • ABS・ブレーキアシストなどを制御。
        ヨーレート・Gセンサー
        • 車両本体の前後左右方向への減速度を検出し,スキッドコントロールコンピューターへ送信。
        ステアリングアングルセンサー
        • ステアリングの操舵角・操舵方向を検出し,スキッドコントロールコンピューターへ送信。

CAN通信システム機能

  1. CAN通信プロトコル(通信規則)
    1. CAN通信システムは,ネットワークを構成するすべてのECU・センサーが,一対の通信線(バス)を利用し,時間をずらしながらデータを送信することも受信することも可能とした,時分割多重双方向通信システムです。このため,通信がスムースかつ確実に行われるよう,各ECU・センサーは共通の通信プロトコル(通信規則)に従って通信を行っています。
    2. CAN通信プロトコルには,すべてのECU・センサーにデータ送信を開始する権利を持たせながら一対の通信線を共有できるよう,通信線へデータを送り出す規則としてCSMA/CD(衝突検出付き搬送波感知多重アクセス)方式が採用されています。
    3. □ 参 考 □
      * : Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection 常時各ECUが通信線の状態(搬送波)を感知し,通信線に他のデータが流れていないときに限りデータ送信を開始する通信アクセス制御。またこれに加えて,データが衝突した(他のECUから同時にデータが送信された)ことを検出した場合には,一定時間待機した後,再びデータ送信を行う制御。

    4. 各ECU・センサーはCANバスに他のデータが流れていない状態でデータ送信を開始しますが,同時に2つ以上のECU・センサーが送信を開始したときには,送信されるデータ自体が含むIDの情報に応じて,送信優先順位の判定を行うシステムとしました。
    5. CAN通信システムで用いられるデータは「ID」,「DLC」,「DATA」,「CRC」,「ACK」などで一つのフレームを構成しています。