構造と作動

バックガイドモニターシステム

システム制御

  1. 概要
    1. バックガイドモニターコンピュータ-は,車両後部に取り付けられたバックモニターカメラの映像に,ステアリングアングルセンサーなどによる車両状態情報を基に演算・予想して作成した各ガイド線の信号などを“ワイドマルチ AV ステーション”へ出力するとともに,右フロントスピーカー・右ツィーターにより音声案内を行います。
    2. “ワイドマルチ AV ステーション”は,バックガイドモニターコンピュータ-からの信号を入力し,内蔵のメインコンピューターにより制御することで,ディスプレイに画像を表示させます。

バックガイドモニターシステム構成

  1. 主要構成
  2. バックガイドモニターシステム構成部品
    構成部品
    主要機能
    バックモニターカメラ
    • バックドアアウトサイドガーニッシュに取り付けられており,車両後方映像信号をバックガイドモニターコンピューターへ出力する。
    バックガイドモニターコンピューター(アイシン精機製)
    • インストルメントパネル内に取り付けられており,イグニッションスイッチ・ニュートラルスタートスイッチ・コンビネーションメーター・“ワイドマルチ AV ステーション”からの信号により,バックモニターカメラのON/OFFを行う。
    • バックモニターカメラおよびステアリングアングルセンサーからの信号により映像信号を“ワイドマルチ AV ステーション”へ出力する。
    “ワイドマルチ AV ステーション”(富士通テン製)
    • バックガイドモニターコンピューターからの映像信号により,後方映像および各ガイド線を画面上に表示する。
    ナビゲーションコンピューター
    • RGB映像信号をバックガイドモニターコンピューターへ出力する。
    • 車両角速度データをバックガイドモニターコンピューターへ出力する。
    ステアリングアングルセンサー
    • ステアリングコラム内部に取り付けられており,ステアリング舵角信号をバックガイドモニターコンピューターへ出力する。
    ニュートラルスタートスイッチ
    シフトポジション“R”信号をバックガイドモニターコンピューターに出力する。
    コンビネーションメーター
    • 車速信号をバックガイドモニターコンピューターに出力する。
    バックドアカーテシランプスイッチ
    • バックドア開/閉信号をバックガイドモニターコンピューターに出力する。
    右フロントスピーカー・右ツィーター
    • バックガイドモニターコンピューターからの音声信号により,縦列ガイドモード選択時に案内音声を出力する。

  3. バックモニターカメラについて
    1. バックモニターカメラは,超広角レンズを用いた画像入力部と小型(1/4インチ)カラーCCDカメラからなる画像信号出力部で構成されています。
    2. 画像信号出力部は,レンズが捉えた(入力した)画像をCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)撮像素子を用いて画像を光の強弱により電気信号に変換してバックガイドモニターコンピューターに出力します。
    3. バックモニターカメラの映像画面は,ルームミラーで後方を見た場合と合わせるため,カメラからの出力映像自体を反転させています。したがって,実際に後方を見た場合と画面上の映像は左右反転した状態(車両左側にあるものは画面左側に,車両右側にあるものは画面右側に表示)で映し出されるため注意が必要です。

バックガイドモニター機能

  1. 機能概要
    1. バックガイドモニターは,車両後部に取り付けたバックモニターカメラの映像に距離目安線・車幅延長線・予想進路線および駐車ガイド線を合成して“ワイドマルチ AV ステーション”の画面上に表示させることで,後退操作の補助を行うシステムです。なお,縦列駐車時には,案内音声の出力を行うことができます。
    2. イグニッションスイッチがON時にシフトポジションを“R”(後退)にすることにより,バックガイドモニター画面に移行し,バックモニターカメラからの車両後方の映像を“ワイドマルチ AV ステーション”画面上に表示します。
    3. ■ 注 意 ■
      バックガイドモニターは後方確認を容易に行うための補助装置なので,必ず後方および周囲の安全を直接目視確認しながら運転してください。

  2. 画面・各ガイド線の表示内容
    1. イグニッションスイッチ ONでシフトポジションを“R”(後退)にすると,“ワイドマルチ AV ステーション”の画面上に車両後方の映像を表示するとともに,ガイドに必要な各線を合成して画面上に表示します。
    2. バックガイドモニター画面表示内容一覧
      表 示
      内 容
      車両後方映像
      バックモニターカメラによる車両後方の映像
      距離目安線(ステアリング連動:赤色・黄色)
      バンパー後端からの距離の目安線(約50cm-赤色・約1m-黄色)
      距離目安線(固定:緑色*1
      バンパー後端からの距離の目安線(約50cm)
      車幅延長線*2(緑色)
      車両の延長線(長さ2.7m・幅2.2m)
      予想進路線*3(黄色)
      ステアリング角度から算出した車両の予想進路(長さ約2.7m・幅2.2m)
      駐車ガイド線*3(緑色)
      ステアリングを左右いっぱいに切ったときの予想進路の外側の一部を延長した線
      進路消去スイッチ
      タッチすることにより,距離目安線(固定:赤色)を除くすべてのガイド線を消去します。また,ガイド線消去時には,表示が「進路表示」となり,タッチすることによって各ガイド線の表示を行います。
      縦列ガイドスイッチ
      タッチすることにより,縦列ガイドモードに移行します。
      □ 参 考 □
      *1:進路消去時は,赤色になります。
      *2:ステアリングの状態がほぼ真っすぐのときは表示されません。
      *3:予想進路線と駐車ガイド線は同時に表示できません。

  3. 画面の表示範囲
    1. 車両後方が図の範囲で表示されます。なお,自車の状況や路面状況により,表示される範囲が異なる場合があります。
    2. バックモニターカメラによって画面で表示される範囲には限界があり,バンパーの両コーナー付近やバンパーの下にあるものは表示されないので注意してください。

  4. 各モードと選択操作
    1. イグニッションスイッチ ONかつバックドア閉状態でシフトポジションを“R”(後退)にすると,後方映像の表示を開始し,車両後方映像表示画面で画面上の「進路表示」または「縦列ガイド」をタッチすることにより,“進路表示モード”または,“縦列ガイドモード”に移行し,各モードに応じた表示および案内を行います。
    2. バックガイドモニターモード一覧
      モード
      進路表示モード
      縦列ガイドモード
      用 途
      車庫入れの場合または縦列駐車時に親切な案内が不要の場合
      縦列駐車時に親切な案内が必要な場合
      音声案内の有無
      ガイド表示のON/OFF切り替え
      可能
      不可
      □ 参 考 □
      * : ガイド表示OFF選択時には後方映像および距離目安線(固定:赤色)のみの表示となります。

    3. バックガイドモニター(進路表示モード・縦列ガイドモード)表示中にバックドア閉→開(または半ドア)すると,表示を中止します。
    4. 縦列ガイドモードは,表示中止後にバックドアを閉め,シフトポジションを一旦,「R以外」→「R」にすると進路表示モードの状態に復帰し,表示を再開します。

  5. 進路表示モードの主なガイド内容
    1. 並列駐車(車庫入れ)時
      1. 「予想進路線」は,車両後退時のステアリング操舵角を案内するもので,予想進路線が駐車スペースの区画線に合うようにステアリングを操作しながら後退することで,車両を駐車スペースに導くことができるようにしています。
      2. 「車幅延長線」は,区画内に真っすぐ駐車する際の目安になるもので,区画線と車幅延長線の状態(交差→平行)を判断することで車両が区画に真っすぐ向いていることを確認できるようにしています。
    2. 縦列駐車時
      1. 「駐車ガイド線」は,縦列駐車などを行う場合に直進後退で停止する位置の目安になるもので,駐車ガイド線が路肩や区画線など駐車したい位置に合うまで後退することで,車両をステアリングを切る前の適切な位置に移動させることができるようにしています。
      2. 駐車ガイド線は用途・好みに応じて表示/非表示を設定することができます。(参照先 バックガイドモニター設定画面

  6. 縦列ガイドモードの主なガイド内容
    1. 縦列ガイドモード選択時には,画面表示に加えて車両の停止位置やステアリング操作のタイミングを,縦列駐車を行う過程のポイントごとに案内します。以下に,そのうちのいくつかを示します。
      1. はじめのコツ表示
        1. 縦列駐車を行うにあたって第一段階の操作手順(はじめのコツ)として,車両を初期位置(車両が道路と平行で,なおかつ前方の駐車車両との間隔が約1mの位置)に移動させる必要がありますが,この状態を示すグラフィックを表示します。
        2. はじめのコツ表示は,必要に応じて表示/非表示を切り替えることができます。(参照先 バックガイドモニター設定画面
      2. ハンドル操作前停止位置案内
        1. 初期位置に車両を停止させた後,「緑の縦線が隣の車の後ろに合うまでバックして止まります。」と案内音声を出力します。案内音声に従って緑の縦線が隣の車両の後端に合うまで後退することでステアリングを切る前の適切な位置に停止することができるようにしています。
      3. ハンドル操舵角案内
        1. 緑の縦線が隣の車両の後端に合わせて後退すると,画面上に「ステアリングの操作に連動する緑の枠」を表示するとともに「止まったままハンドルを回して緑の枠を駐車スペースに合わせます。」と案内音声を出力します。案内音声に従って,ステアリングを回し,緑の枠を駐車したい位置に合わせることにより,適したステアリング舵角にセットすることができるようにしています。

  7. 設定
    1. 縦列ガイド利用時の音量設定・駐車ガイド線の表示/非表示などバックガイドモニターの各設定を行うことができます。
      1. バックガイドモニター設定画面
        1. “ワイドマルチ AV ステーション”情報モード画面から「周辺モニター」をタッチすることで,バックガイドモニター設定画面に移行します。
        2. バックガイドモニター設定項目一覧
          項 目
          内 容
          縦列ガイド音量
          縦列ガイドモード時における案内音声の音量調整
          はじめのコツ表示
          縦列ガイドモード時におけるはじめのコツ画面の表示/非表示
          駐車ガイド線表示
          駐車ガイド線の表示/非表示

バックガイドモニター取り扱い上の注意

  1. 使用全般の注意
    1. バックガイドモニターを過信しないでください。後退操作はバックガイドモニター非装着車と同様,慎重に行ってください。
    2. 画面だけを見ながら後退することは絶対にしないでください。画面に映し出されている映像と実際の状況は異なることがあり,画面だけを見て後退すると車をぶつけたり,思わぬ事故を引き起こすおそれがあります。後退するときは,必ずルームミラーおよびドアミラーを併用し,後方および周囲の安全を直接確認してください。
    3. バックモニターカメラには強い衝撃や力を与えないでください。カメラ向きが狂い誤動作の原因となることがあります。カメラ向きの調整には特殊な工具が必要ですので,必ず販売店で行ってください。
    4. バックドアが確実に閉まった状態で使用してください。
    5. 路面が滑りやすいとき(路面が凍結しているときや,雪道など)およびタイヤチェーンを使用しているときは,使用しないでください。使用すると車をぶつけたり,思わぬ事故につながるおそれがあります。

  2. 表示に関する注意
    1. 車両乗車状態・路面状態による注意点
      1. 乗車人数や積み荷の状態,路面の勾配や凹凸により,距離目安線の距離・予想進路と実際の路面上の距離・進路との間に誤差が生じるときがあるので注意してください。
      2. 勾配の急な坂道が後方にある場合,下図のように実際より遠くに障害物があるように見える場合があります。
    2. 障害物が立体物の場合の注意点
      1. 距離目安線・予想進路線は路面上を基準にしているため,立体物(壁・車両など)が後方にある場合には下記のような点に注意してください。
      2. 予想進路線が立体物の近くを通るときは,下図のように画面では接触しないように見えても,実際は接触してしまう場合があります。
      3. 画面に映る立体物(車両など)と平面物(路面など)では距離間隔が異なりますので十分に注意してください。図のように,実際はAとBは同じ距離でCはA・Bより遠い距離ですが,画面ではB・C・Aの順に映るため,画面のBの位置まで後退すると立体物に接触してしまいます。
      4. 雪道など,路面が滑りやすい状況では,予想進路線と実際の進路との間に誤差が生じるときがありますので注意してください。
      5. 駐車場の区画線が片方しかないときは,実際は平行ではないのに,画面では平行に見えるときがありますので注意してください。
    3. 縦列ガイドの使用に関する注意
      1. 縦列ガイドで縦列駐車をしても,操作方法や駐車時の道路事情・路面状況・自車の状況によっては車をぶつけてしまうことがありますので,必ず後方および周囲の安全を直接確認しながら運転してください。
      2. 縦列ガイドは平坦でまっすぐな道路で駐車するときに使用してください。駐車位置がカーブや坂道のときは使用しないでください。車をぶつけたり,思わぬ事故につながるおそれがあります。
      3. 自車の状況(乗車人数・積載量など)や道路状況(勾配・凹凸など)により,駐車に必要なスペースは多少変わります。

  3. その他の注意点
    1. 販売店装着オプション設定の字光式ナンバープレートを装着すると,バックモニターカメラが映し出す範囲が不正確になります。よって,用品設定の専用ブラケットを使用してください。
    2. バッテリー交換後などに画面上に「システム初期化中」と表示されますが,ステアリングを左右いっぱいに切るか,5分ほど通常走行すると,初期化が終了し,通常の表示に戻ります。
    3. タイヤサイズを違うものに交換すると,予想進路線が不正確になる場合があります。
    4. 車両後退時は必ず後方および周囲の安全を直接肉眼で確認してください。画面を見ながら後退することは絶対にしないでください。
    5. バックモニターカメラが映し出す範囲には限界があり,バンパーの両コーナー付近やバンパーの下にあるものは映りません。
    6. バックモニターカメラは特殊レンズを使用しているため,画面に映る距離間隔は実際とは異なります。
    7. 太陽やヘッドランプの光が直接レンズに当たったときや,暗いところ(夜間など)やレンズ付近の温度が高くなっているときまたは低くなっているときに画面が見づらくなることがありますが異常ではありません。
    8. レンズ前面のガラスが汚れていると,鮮明な画像が得られません。水滴・雪・泥などが付着した場合は取り除いてください。
    9. 高輝度の点(バンパーに反射した太陽など)が画面に映ると,CCDカメラ特有のスミヤ現象が発生することがあります。
    10. □ 参 考 □
      * : 高輝度の点(車体に反射した太陽等)がカメラに映ると,その上下(縦方向)に尾を引く現象。