構造と作動

スマートドアロックシステム

スマートドアロックシステム構成

  1. 構成部品
  2. スマートドアロックシステム主要構成部品機能一覧
    構成部品〔略称〕
    主要機能
    スマートキーコンピューター〔スマートECU〕
    • スマートレシーバーからのIDコードを判別・照合し,システム全体を制御。
    • 各種スイッチ状態を検知し,エレクトリカルキーオシレーターへリクエスト信号を送信。
    • ドアロック/アンロック要求信号をボデーコンピューターへ送信。
    スマートドアロック用トランスミッター
    • アンテナからのリクエスト信号を受信し,スマートレシーバーへ微弱電波(識別コード・機能コード)を送信。
    • 送信中に作動インジケーターランプを点灯。
    • ワイヤレスリモートコントロール用ロック・アンロックの2つの送信ボタンを装備。
    エレクトリカルキーオシレーター
    • スマートECUからのリクエスト信号を,運転席アウトサイドハンドルASSY内蔵のアンテナへ送信。
    • 運転席アウトサイドハンドルASSYからのタッチセンサー状態を検知し,スマートECUへ出力。
    スマートレシーバー
    • トランスミッターからの微弱電波(識別コード・機能コード)を受信し,コードデーターとしてスマートECUへ出力。
    運転席アウトサイドハンドルASSY
    • 内蔵のアンテナにより,エレクトリカルキーオシレーターからのリクエスト信号を発信し検知エリアを形成。
    • トリガースイッチ状態(ON/OFF)をスマートECUへ出力。〔スマートドアロック機能〕
    • タッチセンサーを内蔵。〔スマートドアアンロック機能〕
    ボデーコンピューター
    • スマートECUからのロック/アンロック要求信号により,ドアロックコントロールモーターを駆動。
    • 全ドアロック/アンロック作動完了を確認し,アンサーバック出力(フラッシャーリレー駆動)を実施。
    ドアロックASSY
    • 内蔵のドアロックコントロールモーターを正転/逆転することにより,ドアをロックまたはアンロック。
    • 内蔵のドアロックポジションスイッチにより,ドアのロック/アンロック状態(ロック:OFF/アンロック:ON)を検出し,スマートECUなどへ出力。(運転席ドアロックASSY)
    フラッシャーリレー
    • ボデーコンピューター制御により,アンサーバック時にハザードウォーニングランプを点滅。〔アンサーバック機能〕
    キーアンロックウォーニングスイッチ
    • イグニッションキーシリンダーにキープレートの有無(あり:ON,なし:OFF)を検出し,スマートECUへ出力。〔システム作動条件〕
    イグニッションスイッチ
    • イグニッションスイッチ ON/OFF状態を検出し,スマートECUなどへ出力。〔システム作動条件〕
    ドアカーテシランプスイッチ
    • ドアの開閉(ドア開:ON,ドア閉:OFF)を検出し,スマートECUなどへ出力。

スマートドアロックシステム機能

  1. システム概要
    1. 車室外のスマートドアロック用トランスミッターと車両との無線通信によるIDコード照合結果を基に,スマートECUがボデーコンピューターへ信号を送信することでドアロック制御をしています。
    2. 車両とトランスミッターの照合を行うために,スマートECUはエレクトリカルキーオシレーターを介してリクエスト信号を車室外へ送信します。
    3. リクエスト信号を受信したトランスミッターは,IDコードを発信します。
    4. スマートレシーバーで受信したIDコードを,スマートECUが判別・照合し自車コードと認識すると,機能に応じてロック/アンロック要求信号をボデーコンピューターへ送信することでドアロック制御します。
      1. スマートドアロック用トランスミッター検知エリア
        1. スマートECUから送信されるリクエスト信号は,エレクトリカルキーオシレーターから発信され運転席アウトサイドハンドルASSYをアンテナとして,半径約0.7mのスマートドアロック用トランスミッター検知エリアを形成します。
        2. 検知エリアを形成するリクエスト信号は,0.3秒ごとに定期発信されることで常時トランスミッター携帯者の接近を感知しています。
        3. 検知エリア形成(リクエスト信号発信)条件
          • エンジン停止。
          • イグニッションキーシリンダーにキー挿入なし。
          • 運転席ドアロック。
          • 全ドア“閉”。

  2. スマートドアアンロック機能
    1. 検知エリア内でスマートドアロック用トランスミッターを携帯し,運転席アウトサイドハンドルASSYを握ると全ドアがアンロックします。
    2. アンロック後,アンサーバックとしてハザードウォーニングランプが2回点滅します。

  3. スマートドアロック機能
    1. 全ドア“閉”のとき,検知エリア内でスマートドアロック用トランスミッターを携帯し,トリガースイッチを押すと全ドアがロックします。
    2. ロック後,アンサーバックとしてハザードウォーニングランプが1回点滅します。

  4. ワイヤレスリモートコントロール機能
    1. スマートドアロック用トランスミッターにはロックボタン・アンロックボタンが取り付けられており,ドアロック & アンロック機能をはじめとするすべてのワイヤレスリモートコントロールシステム機能が可能です。(参照先 ワイヤレスリモートコントロールシステム-構造と作動

  5. 節電機能
    1. 車載バッテリーの節電機能
      1. スマートドアロックシステムは,0.3秒ごとのリクエスト信号を定期発信することで検知エリアを形成するため,車両を長時間放置すると,車載バッテリーが上がる可能性があります。そこでバッテリー上がりを防止するため下記の制御を設定しています。
      2. 車載バッテリー節電制御
        • 8日以上スマートドアロック用トランスミッターからの応答がない場合,リクエスト信号の定期発信を0.6秒間隔に延長。
        • 15日以上スマートドアロック用トランスミッターからの応答がない場合,リクエスト信号の定期発信(検知エリアの形成)を停止。
    2. トランスミッターの節電機能
      1. スマートドアロック用トランスミッターのロックまたはアンロックボタンを押し続けても,約20秒後に自動的に送信作動を停止します。
      2. 検知エリア内にスマートドアロック用トランスミッターを長時間放置した状態にすると,スマートドアロック用トランスミッターはIDコードをスマートレシーバーへ送信し続けるため,トランスミッターのバッテリーが上がる可能性があります。そこでバッテリー上がりを防止するため下記の制御を設定しています。
      3. 車載バッテリー節電制御
        • 10分以上検知エリアにスマートドアロック用トランスミッターがある場合,リクエスト信号の定期発信(検知エリアの形成)を停止。
    3. 復帰条件
      1. 下記条件のいづれかが成立すると,節電制御から通常のスマートドアロック制御へ復帰します。
      2. 復帰条件
        • ワイヤレスドアロックリモートコントロールにより,ドアをロック/アンロック。
        • エンジン始動。
        • 運転席アウトサイドハンドルASSYのトリガースイッチを押す。

スマートドアロックシステム制御

  1. 作動
    1. スマートドアアンロック作動
      1. イグニッションスイッチ OFF,運転席ドアロックポジションスイッチ OFF(ロック時),全ドアカーテシランプスイッチ OFFかつスマートドアロック用トランスミッターが検知エリア内に入ると,スマートECUはスマートレシーバーが受信したトランスミッターのIDコードを判別/照合します。
      2. 照合がOKとなると,スマートECUはエレクトリカルキーオシレーターを介して運転席アウトサイドハンドルASSY内蔵のタッチセンサーを起動し,アンロックスタンバイ状態とします。
      3. 運転席アウトサイドハンドルASSYが触られたことをタッチセンサーで検出すると,この信号がエレクトリカルキーオシレーターを介してスマートECUへ入力されます。これにより,スマートECUはドアアンロック要求信号をボデーコンピューターへ送信します。
      4. ボデーコンピューターは電気式ドアロック作動と同様,ドアロックコントロールモーターを駆動し全ドアをアンロックします。その後,運転席ドアロックポジションスイッチ ONを検知しドアアンロック状態を確認すると,アンサーバック出力を2回行います。
      5. スマートECUは運転席ドアロックポジションスイッチ ONを検知しドアアンロック状態を確認すると,リクエスト信号の送信を停止します。
    2. スマートドアロック作動
      1. イグニッションスイッチ OFF,運転席ドアロックポジションスイッチ ON(アンロック時)状態で,スマートECUがトリガースイッチ ONを検知すると,エレクトリカルキーオシレーターへリクエスト信号を送信し運転席アウトサイドハンドルASSY内蔵のアンテナにより検知エリアが形成されます。
      2. このとき検知エリア内のスマートドアロック用トランスミッターはIDコードを発信し,これをスマートレシーバーを介してスマートECUが受信します。
      3. スマートECUはトランスミッターのIDコードを判別・照合し,OKとなるとドアロック要求信号をボデーコンピューターへ送信します。
      4. ボデーコンピューターは電気式ドアロック作動と同様,ドアロックコントロールモーターを駆動し全ドアをアンロックします。その後,運転席ドアロックポジションスイッチ OFFを検知しドアロック状態を確認すると,アンサーバック出力を1回行います。
    3. その他の作動
      1. 他車スマートドアロック用トランスミッターとの衝突回避制御
        1. スマートドアロックシステム装着車が2台並び,スマートドアロック用トランスミッターが他車の検知エリアに反応し続けて自車の検知エリアに反応できなくなった場合には,衝突回避制御が実行されることがあります。
        2. 他車のスマートECUが検知エリア内のトランスミッターに対して3回連続NG判定をした時点でリクエスト信号の送信を3回停止します。これにより,トランスミッターは約1秒後に自車の検知エリアに反応し,通常のスマートドアロック制御を行います。
      2. 他車スマートドアロック用トランスミッターによる節電制御
        1. 他車のスマートドアロック用トランスミッターが自車の検知エリア内にある場合は,自車のスマートECUが上記の衝突回避制御を繰り返し実施し,10回連続した場合に節電制御へ移行します。
        2. 節電制御が実行されると,スマートECUはリクエスト信号の定期発信を3秒ごとに変更します。
        3. 自車のトランスミッターを検知・ワイヤレスリモートコントロール操作・異なるトランスミッターを検知のいづれかを実施することで,節電制御から復帰します。