構造と作動

シートバリエーション

フロントシート

WIL(頸部傷害低減)コンセプトシート

  1. 機能
    1. WILコンセプトシートは,後方から低速で追突された場合に,乗員の頭部と胴体の角度を保持してしっかりと支持されるようにすることで,頭部と胴体の相対的な動きを極力抑えて,首への衝撃を緩和するものです。

  2. 構造
    1. シートバックフレームは,上部を乗員から遠ざけて配置し,厚肉のシートバックパッドと合わせて,低速で後方から追突された場合に乗員の胴体を沈み込ませて頭部をヘッドレストに近づけるよう配慮しました。また,乗員の背中から骨盤までの広い範囲で支持し,衝撃を吸収できるよう配慮しました。
    2. ヘッドレストは乗員の頭部に近く十分に高い位置に配置し,低速後突時に頭部をしっかり支持できるよう配慮しました。

運転席リフター機構

  1. 構造
    1. ポンプ式リフターノブを操作することによりシート全体を上下する構造としました。
    2. 運転式リフター機構は,ポンプ式リフターノブ・リフターギヤ・リフターロッド・連結リンク・ベルクランク・スプリングなどで構成しています。

  2. 作動
    1. シートを上げる場合,ポンプ式リフターノブを矢印C方向に操作することにより,連動してピニオンギヤが同方向に回転します。これにより,リフターギヤは支点Qを中心にして矢印E方向に回転します。
    2. リフターギヤには連結リンクが取り付けられており,リフターギヤが矢印E方向に回転することで,連結リンクがF方向に移動し,ベルクランクは支点Rを中心に矢印G方向に回転します。ベルクランクが矢印G方向に回転してシート後端を持ち上げるのに連動してフロントリフターリンクが支点Sを中心に矢印H方向に回転し,シート全体がリフトアップします。なお,ポンプ式リフターノブとピニオンギヤ連動部にはブレーキ機構を組み込んでおり,シートクッションからの荷重に対してピニオンギヤが反転することはありません。
    3. シートを下げる場合は,ポンプ式リフターノブを矢印C方向と逆方向に操作します。なお,リフター調整量は31mmとしました。

助手席シートバック前倒し機構

  1. 構造
    1. リクライニング操作によりシートバックを前倒しするとシートバックが水平となり,助手席シートバックをテーブルとして使用(スライド位置がリヤモーストの場合を除く)することができます。

助手席ワンタッチタンブル機構

  1. 構造
    1. シートバックの前倒し操作のみでタンブルが行えるものとし,リヤシート乗降スペースの拡大や運転席へのウォークスルーなど,助手席側ドアのセンターピラー内蔵化を十分に活かしたシートアレンジができるものとしました。
    2. タンブル操作を行うには,ヘッドレストを取りはずし,スライド位置をリヤモースト位置へ調整した後,インナー側またはアウター側リクライニングレバーを操作しながらシートバックを前倒しします。シートバックの前倒しに連動してシートレッグとフロアのロックが解除し,シートクッションヒンジ部を支点にシートの引き起こしが行えるものとしました。また,シートクッションヒンジ部にはタンブルロックが設定されており,タンブルすると同時にシートがロックします。なお,タンブルシートロック解除レバーを引くことで,シートロックは解除します。
    3. シートクッションヒンジ部にアシストスプリングを設定し,シートの引き起こしを容易に行えるものとしました。
    4. ■ 注 意 ■
      • シートを元に戻す場合,人がいないことや荷物がないことを確認し,シートに手を添えながらゆっくり操作してください。また,シートを戻した際は,シートクッション後端(両側)を持ち上げ,確実に固定されていることを確認してください。

  2. 作動
    1. インナー側またはアウター側リクライニングレバーを操作し,シートバックを前倒しにするとシートバックフレームに固定されているシートバック付けプレートも同様に回転します。シートバック付けプレートの回転はリンクを介してポールへ伝わり,ケーブルを引き上げます。ケーブルの引き上げは左右のシートロック部に伝わり,シートレッグとフロアとのロックを解除します。

助手席回転機構

  1. 機能
    1. シート全体がドア方向に回転するとともに,約120mm車外にせり出すものとし,高齢者や体の不自由な方など,様々な乗員の乗降に配慮しました。
    2. シートバック両サイド部にアームレストを,シートクッション下部にフットレストをそれぞれ設定し,回転時の乗員保護に配慮しました。

  2. 構造と作動
    1. 回転機構部のアッパープレートには,シート本体・フットレスト・回転シートロック解除レバー・ケーブル・リンク・ロックピンなどが構成されており,ロワープレートには,ラック・ロックフック(AおよびB)などが構成されています。
    2. 大型ギヤは上面がアッパープレートと結合しているとともに,側面の歯車がロワープレートのラックとかん合しています。このため,大型ギヤが前方向に移動した場合,シートは回転しながら車外にせり出します。
    3. 大型ギヤの裏面に連結リンクを設定し,大型ギヤとロワープレートを結合するとともに,大型ギヤの動きを前後方向のみに規制しています。
    4. 回転シートロック解除レバーを操作すると,ケーブルが矢印C方向に引っ張られ,リンクが矢印D方向に回転します。
    5. リンクにはロックピンが取り付けられており,リンクが矢印D方向に回転することにより,ロックピンはロックフックAとのかみ合いを解除します。これにより,シートの回転が可能となり,回転シートロック解除レバーを手前に引くことで,大型ギヤが前方向に移動し,シートが約85°回転します。
    6. 回転後ロックピンは,ロックフックBとかみ合い,シートはロックされます。

リヤシート

タンブル機構

  1. 機能
    1. 6側シートと4側シートにタンブル機構を設定することで,それぞれのシートが独立してタンブルが行えるものとし,荷室の様々な使用用途に対応できるものとしました。
    2. タンブル操作を行うには,ヘッドレストを最下位置へ,シートバックを前倒し位置へそれぞれ調整しておきます。この状態でタンブルレバーを操作することにより,シート後端部とフロアとのロックを解除し,ヒンジを支点としてシートを引き起こすことができます。また,シートクッションヒンジ部にはタンブルロックが設定されており,タンブルすると同時にシートがロックします。なお,タンブルレバーを引くことで,シートロックは解除します。
    3. ■ 注 意 ■
      • シートを元に戻す場合,人がいないことや荷物がないことを確認し,シートに手を添えながらゆっくり操作してください。また,シートを戻した際は,シートクッション後端(両側)を持ち上げ,確実に固定されていることを確認してください。

  2. 作動
    1. タンブルレバーを操作すると,ケーブルが矢印A方向に引っ張られ,リンクが支点Bを中心に回転します。リンクの回転は連結リンクを介してシートロック部(ポール・フック)へ伝わり,リヤシート後端部とフロアとのロックを解除します。