構造と作動
電動ミラーシステム
車室内から鏡面のリモートコントロールを可能とした「電動リモコン式ドアミラー」を標準設定し,鏡面のリモートコントロールに加えドアミラーの電動格納/復帰リモートコントロール機能を備えた「電動格納リモコン式ドアミラー」をC/G/Sパッケージに標準設定しました。
ドアミラーの格納スイッチはプッシュロックタイプを採用し,運転席側ドアトリム内パワーウインドゥスイッチベース前方部に配置しました。また,ミラー内蔵の電動格納/復帰回路は,ロック電流検知タイプを採用しました。
“ミラーヒーター機能付き”電動格納リモコン式ドアミラーを,G/Sパッケージの寒冷地仕様車に標準設定しました。なお,ミラーヒータースイッチおよびミラーヒーター制御はウインドゥデフォッガーシステム兼用としました。
電動格納ドアミラーシステム
構成
電動格納/復帰機能
イグニッションスイッチ ACCまたはONで格納スイッチを操作すると,ミラーは格納または復帰作動を行います。
格納または復帰作動中にイグニッションスイッチをOFFすると,ミラーはイグニッションスイッチをOFFしたときの状態で作動を停止します。なお,イグニッションスイッチを再度ACCまたはONするとミラーは作動を継続し,格納または復帰位置になります。
イグニッションスイッチ OFFで格納スイッチの状態とミラーの位置が異なっている場合(格納スイッチが格納側でミラーが復帰位置など)に,イグニッションスイッチをOFFからACCまたはONすると,ミラーは格納スイッチの状態に応じた格納または復帰作動を行います。
格納機能
左右のミラーが復帰位置で格納スイッチを格納側に操作すると,左右のミラーともに格納作動を行います。
復帰位置から片側のミラーを手動により前方可倒位置にすると,ミラーはその状態を保持します。このとき,格納スイッチを格納側に操作すると,左右のミラーともに格納作動を行います。
復帰位置から片側のミラーを手動により格納位置にすると,ミラーはその状態を保持します。このとき,格納スイッチを格納側に操作すると,片側のミラーのみ格納作動を行います。
復帰機能
左右のミラーが格納位置で格納スイッチを復帰側に操作すると,左右のミラーともに復帰作動を行います。
格納位置から片側のミラーを手動により,復帰位置にするとミラーはその状態を保持します。このとき,格納スイッチを復帰側に操作すると,片側のミラーのみ復帰作動を行います。
ミラー作動中にミラーの動きが障害物により阻止された場合
ミラーは障害物に動きを阻止された状態で停止します。このため,障害物を取り除いた後,格納スイッチを操作してミラーを格納位置または復帰位置にします。
電動格納/復帰作動
格納作動
左右両ミラーが復帰位置,格納スイッチが復帰側,イグニッションスイッチ ACCまたはONのとき,格納スイッチを格納側に操作すると,格納スイッチの接点A1・A2がB1・B2に切り替わります。これにより電流がACC→B2→MR端子→FET1→PTC1→D1→格納・復帰モーター→MF端子→B1→アースと流れ,格納・復帰モーターが格納側に回転します。
その後格納作動が終了すると,トランジスターQ1がONして格納側に流れていた電流を,MR端子→Q1→R1→MF端子→B1→アースにバイパスすると,格納・復帰モーターへの電源が遮断され,格納・復帰モーターが停止します。
復帰作動
左右両ミラーが格納位置,格納スイッチが格納側,イグニッションスイッチ ACCまたはONのとき,格納スイッチを復帰側に操作すると,格納スイッチの接点B1・B2がA1・A2に切り替わります。これにより電流がACC→A1→MF端子→格納・復帰モーター→D2→PTC2→FET2→MR端子→A2→アースと流れ,格納・復帰モーターが復帰側に回転します。
その後復帰作動が終了すると,トランジスターQ2がONして復帰側に流れていた電流を,MF端子→R2→Q2→MR端子→A2→アースにバイパスし,格納・復帰モーターへの電源が遮断され,格納・復帰モーターが停止します。
ミラーヒーターシステム
構成部品
機能
イグニッションスイッチ ONで,ミラーヒータースイッチ(リヤウインドゥデフォッガースイッチ兼用)を押すと約15分間ミラーヒーターが発熱し,アウターリヤビューミラー鏡面の霜や露などによる曇りを取り除くことができます。
作動
ミラーヒーターの回路は,基本的にはリヤウインドゥデフォッガーの回路と共用しています。回路および作動説明はウインドゥデフォッガーシステムを参照してください。(参照先 ウインドゥデフォッガーシステム-構造と作動
)
アウターリヤビューミラー
従来と同様,親水効果とセルフクリーニング効果を合わせ持った「レインクリアリングミラー」をG/Sパッケージに標準設定し,安定した後方視界の確保をはかりました。
レインクリアリングミラー
構造と効果
レインクリアリングミラーの鏡面には,シリカ層およびチタニア層が,2層にコーティングされています。
シリカには,シリカ層表面に付着した水滴を薄い膜状にする親水効果があります。また,シリカ層表面を凹凸にすることにより,親水効果を高めています。
チタニアには太陽光(紫外線)と反応する光触媒作用により,シリカ層表面に付着した汚れを化学的に分解して除去するセルフクリーニング効果があります。
機能
親水効果
大気中の物質表面は,水分と結合しやすい親水性表面と結合しにくい(水分をはじきやすい)疎水性表面に大別されます。一般的なミラー表面は疎水性物質(汚れなど)で覆われており,水が付着すると表面張力の力により半球状の水滴となります。
レインクリアリングミラーは,表面に水分と結合しやすい親水性のシリカ層を有し,さらにシリカの最表面を凹凸構造にすることで多くの水分を保持しています。これにより,水が付着した場合,水を薄い膜状にすることで視認性を確保しています。なお,シリカ層の最表面に直接汚れが付着した場合は,親水効果が低下することがありますが,太陽光(紫外線)が照射されるとセルフクリーニング効果により親水効果を回復できます。
セルフクリーニング効果(光触媒作用)
太陽光(紫外線)が照射されると,チタニア層内部に電子(e
-
)が生成され電子がシリカ層を通して周辺に存在する酸素(O
2
)と吸着・励起し,活性酸素(O
2
-
)に変化させます。(図A)この活性酸素がシリカ層表面に付着した汚れ(有機物)と化学反応することにより,汚れが炭酸ガス(CO
2
)および水(H
2
O)に分解され除去されます。(図B)
取り扱い上の注意
鏡面を清掃する場合は水洗いだけで十分です。鏡面を油膜取り剤(コンパウンドなど)や砂の付いた布などで擦ったり,ワックス・撥水剤などを塗布すると,鏡面にコーティングされたシリカ層/チタニア層を傷つけたり侵すなどして親水効果が失われるおそれがあります。
鏡面が凍結している場合は,プラスチックの板などで削り落とさず,流水や温水で解氷してください。
一時的な親水効果の低下について
下記の状況下においては,一時的に親水効果が低下しますが異常ではありません。なお,親水効果は数日間の日射で回復しますが,効果を早く回復させたい場合は,修理書に記載の方法にしたがって洗浄作業を行ってください。
一時的な親水効果低下が発生する状況
素手で鏡面に触れたり,油の付いた布などで鏡面の汚れを拭き取ったとき。
長期間,地下駐車場など日の当たらない場所に駐車したとき。
車両ワックス除去によるワックスリムーバーが付着したとき。
自動洗車機でワックスが付着したとき。