制御系CAN通信システム 機能説明
概要
CAN(Controller Area Network)とは、リアルタイム・アプリケーション向けのシリアル通信で、優れたデータ通信速度(500kbps)とエラー検出能力を持つ車載向けの多重通信である。
CANはCAN-H、CAN-Lの2本の線を1対とし、差動電圧にて通信を実施している。
自動車には多くのECU(センサ)が装備されているが、それらは単独で作動しているわけではなく、他のECU(センサ)と情報を共有して連携しながら作動している。
CANでは本線に通信伝達に必要な抵抗(120Ω)が2個入っている。
用語の定義
本線
バス(通信線)上に2つ配置された終端回路間のハーネスを本線と定義する。制御系CANの基幹バスとなる。
支線
CANバスの基幹バスである本線からECU、またはセンサへ分岐された線を支線と定義する。
終端回路
制御系CANの通信電流をバス電圧に変換するために置かれる抵抗とコンデンサからなる回路を終端回路という。終端回路はバス上に2個用意する必要がある。
CAN通信採用ECU、センサ
ブレーキアクチュエータASSY(VSC ECU)
ステアリングセンサ(舵角センサ)
ヨーレートセンサ(ヨー・Gセンサ)
CAN通信系ダイアグコード
U0121/94(ABS)、U0123/62(VSC)、U0124/95(ABS)、U0126/63(VSC)はCAN通信系のダイアグコードである。
トラブルシュートに関する留意点
CAN通信系のダイアグコードはS2000にて確認することができる。
DLC3もCAN通信に接続しているが、DLC3支線の異常はダイアグコードの読み出しはできない。
CAN通信ダイアグコードの読み取り方
CAN通信系のトラブルシュートは出力したCAN通信系ダイアグコードの組み合わせにより不具合箇所を特定する(ダイアグコード組み合わせ表は05-846
参照)
U0121/94(ABS)、U0123/62(VSC)、U0124/95(ABS)、U0126/63(VSC)以外のダイアグコードは組み合わせと同時出力する場合がある。
U0121/94(ABS)、U0123/62(VSC)、U0124/95(ABS)、U0126/63(VSC)が出力されていない場合はCAN通信の不具合ではない(各システムのトラブルシュートへ)
U0121/94(ABS)、U0123/62(VSC)、U0124/95(ABS)、U0126/63(VSC)が1つでも出力されていたらCAN通信系の異常の可能性がある。
CAN通信ダイアグコード出力ECU
ブレーキアクチュエータASSY(VSC ECU)がU0121/94(ABS)、U0123/62(VSC)、U0124/95(ABS)、U0126/63(VSC)を出力する。
CAN通信回路図
□ 参 考 □
ステアリングセンサ(舵角センサ)およびヨーレートセンサ(ヨー・Gセンサ)のダイアグ検出、ダイアグ記憶およびダイアグ通信は、ブレーキアクチュエータASSY(VSC ECU)にて行っている。
フェールセーフ機能
VSC制御のフェールセーフ
いずれかのバス(通信線)がショートなどでフェールした場合、フェールセーフ処理へ移行しシステムの誤作動を防ぐよう設計している。
ブレーキアクチュエータASSY(VSC ECU)にステアリングセンサ(舵角センサ)、ヨーレートセンサ(ヨー・Gセンサ)の情報が通信不能の時、ブレーキアクチュエータASSY(VSC ECU)はフェールセーフに入りVSC機能を停止する。
機能
VSC ECU
舵角センサ
ヨー・Gセンサ
通信不能時の挙動
ダイアグ検出
(ドライバの認識)
VSC制御
(VSC作動時に駆動力の制御)
Rx
Tx
Tx
VSC/ABS機能停止
可(VSCインジケータ常灯)
□ 参 考 □
Rx・・・・受信
Tx・・・・送信
通信不能時のVSCシステムへの影響はEBD付きABS&TRC&VSC&BAシステム(05-212
)を参照する。