SRSエアバツグ & プリテンシヨナー付きシートベルトシステム 前点検
  1. エアバッグウォーニングランプ点検
    1. IGスイッチをONにしたとき、ウォーニングランプが点灯または点滅するか確認する。
    2. 約6秒経過後、ウォーニングランプが消灯することを確認する。
    3. □ 参 考 □
      • IGスイッチをONにしてから約6秒後、ウォーニングランプが点灯または点滅し続ける場合はエアバッグ・プリテンショナーシステムに不具合が発生している。
      • IGスイッチをONにして、エアバッグウォーニングランプが10秒間消灯し、その後点灯する場合は、エアバッグセンサASSY CTRのコネクターが半かん合状態、または半かん合検出ピンの異常が考えられる。
      • いずれかのエアバッグが作動した車両で、エアバッグセンサASSY CTRを交換していない場合、エアバッグウォーニングランプが点灯する。
      • 約6秒経過後もときどき点灯する場合、エアバッグウォーニングランプ系統の短絡または断線が考えられる。
      • IGスイッチがOFF(LOCK)またはACCでも点灯する場合は、電源系またはコンビネーションメータASSYの故障が考えられる。


  2. プライマリーチェック
    1. IGスイッチをOFF(LOCK)にして2秒以上経過後、IGスイッチをONすることで、約6秒間ウォーニングランプを点灯し、エアバッグ・プリテンショナーシステムの診断を行う。
    2. ■ 注 意 ■
      バッテリー接続時はIGスイッチをOFF(LOCK)にしておく。

    3. 万一、プライマリーチェックで不具合が発見されると、6秒経過後もウォーニングランプは点灯または点滅する。
  3. 常時チェック
    1. プライマリーチェックが終了(6秒経過後ウォーニングランプが消灯)すると、エアバッグセンサASSY CTRはシステムを点火可能状態にするとともにシステムに異常がないかを常時監視する。
    2. 万一、常時チェックで不具合が検出されると、エアバッグセンサASSY CTRは以下のように作動する。
      1. ウォーニングランプが点灯または点滅する。
      2. □ 参 考 □
        不具合コードが検出された場合は、ウォーニングランプが点灯または点滅する。

      3. ウォーニングランプが点灯して消灯する。
      4. □ 参 考 □
        電源電圧が低下したときウォーニングランプが点灯し、その後電圧が正常に復帰すると10秒後にウォーニングランプを消灯する。

      5. ウォーニングランプが常灯する。
      6. □ 参 考 □
        エアバッグセンサASSY CTR-コンビネーションメータASSY間W/Hが断線または短絡(アースまたは+B)、コンビネーションメータASSY-テルテールランプASSY間W/Hがアース短絡、テルテールランプASSYの不具合、コンビネーションメータASSYの不具合、エアバッグセンサASSY CTRの不具合の場合、ウォーニングランプが常灯する。

      7. ウォーニングランプが不灯になる。
      8. □ 参 考 □
        電源系統の不具合、コンビネーションメータASSY-テルテールランプASSY間W/Hの断線、テルテールランプASSYの不具合、コンビネーションメータASSY不具合、エアバッグセンサASSY CTRの不具合の場合、ウォーニングランプが不灯になる。


  4. まとめ
    1. システムが正常な場合
      1. プライマリーチェック期間(IGスイッチをONにしてから約6秒間)のみウォーニングランプが点灯する。
    2. システムに異常が発生している場合
      1. プライマリーチェック期間を過ぎてもウォーニングランプが点灯または点滅する。
      2. プライマリーチェック期間を過ぎて一度消灯し、再度ウォーニングランプが点灯または点滅する。
      3. IGスイッチをONにし、エアバッグウォーニングランプが10秒間消灯し、その後点灯する場合は、エアバッグセンサASSY CTRのコネクターが半かん合状態、または半かん合検出ピンの異常が考えられる。
      4. コンビネーションメータASSYの不具合または通信系の異常などによるウォーニングランプの常灯または不灯。
      5. 作動したエアバッグセンサASSY CTRは、プライマリーチェック期間を過ぎてもウォーニングランプが点灯する。
      6. □ 参 考 □
        • 上記(5)は作動したエアバッグセンサASSY CTRを区別するための機能である。
        • エアバッグが作動した車両のセンサ(エアバッグセンサASSY CTR、フロントエアバッグセンサRHおよびLH)は正常に作動しない場合があるため、作動した場合必ず新品に交換する。

  5. S2000によるダイアグコード読み取り(通常モード)
    1. IGスイッチをOFF(LOCK)にする。
    2. SSTをDLC3に接続する。
    3. SST
      09991-60101
      09991-60300

    4. IGスイッチをON後、SSTの画面表示に従って操作を行い「ダイアグコード確認」画面を表示させ通常モードを選択しダイアグコードを読み取る。
    5. SST
      09991-60101
      09991-60300

  6. S2000によるダイアグコード読み取り(テストモード)
    1. IGスイッチをOFF(LOCK)にする。
    2. SSTをDLC3に接続する。
    3. SST
      09991-60101
      09991-60300

    4. IGスイッチをON後、SSTの画面表示に従って操作を行い「ダイアグコード確認」画面を表示させテストモードを選択しダイアグコードを読み取る。
    5. SST
      09991-60101
      09991-60300

      ■ 注 意 ■
      SSTの「ダイアグコード確認」画面を表示させテストモードを選択すると、それまでに出力されているダイアグコード(現在および過去)が消去される。

      □ 参 考 □
      • テストモードは通常モードに比べ故障(異常)検出感度を向上させることができる。
      • テストモードによる点検は、各センサの信号系故障(異常)が考えられるにもかかわらず、通常モードでダイアグコードを読みだした際、正常コードを出力する場合に行う。
      • トラブルシューティングを実施する際、ダイアグコードがテストモードに対応していることをダイアグコード一覧で確認する。(05-410

  7. S2000によるダイアグコード消去
    1. IGスイッチをOFF(LOCK)にする。
    2. SSTをDLC3に接続する。
    3. SST
      09991-60101
      09991-60300

    4. IGスイッチをON後、SSTの画面表示に従ってダイアグコードを消去する。
  8. ウォーニングランプによるダイアグコード読み取り
    1. 現在故障
      1. IGスイッチをONにして、60秒間待機する。
      2. □ 参 考 □
        エアバッグセンサASSY CTRがシステムすべての自己診断を完了するのに約60秒間かかる。

      3. SSTを使用して、DLC3の13(TC)⇔4(CG)端子間を短絡しウォーニングランプの点滅回数を読み取る。
      4. SST
        09843-18040

        □ 参 考 □
        ダイアグコードが複数ある場合、数字の小さい順に出力し、全コード出力後2回目の表示を行う。



    2. 過去故障
      1. SSTを使用して、DLC3の13(TC)⇔4(CG)端子間を短絡する。
      2. SST
        09843-18040

      3. IGスイッチをONにして、ウォーニングランプ消灯後の点滅回数を読み取る。
      4. □ 参 考 □
        • ダイアグコードが複数ある場合、数字の小さい順に出力し、全コード出力後2回目の表示を行う。
        • 現在故障がある場合、現在および過去故障が同時に出力される。

  9. ウォーニングランプによるダイアグコード消去
    1. SSTを使用して、DLC3の13(TC)端子⇔4(CG)端子間を短絡し、IGスイッチをONにする。
    2. SST
      09843-18040

    3. ダイアグコードが出力され始めてから3秒後から10秒以内にDLC3の13(TC)端子をオープンし、3秒後にウォーニングランプが点灯するか確認する。
    4. ウォーニングランプが点灯し始めてから2.0秒後-4.0秒以内にDLC3の13(TC)⇔4(CG)端子間を短絡する。
    5. DLC3の13(TC)⇔4(CG)端子間を短絡してから2.0秒後-4.0秒後にウォーニングランプが消灯し、消灯後2.0秒後-4.0秒以内にDLC3の13(TC)端子をオープンする。
    6. DLC3の13(TC)端子をオープンしてから2.0秒後-4.0秒後再びウォーニングランプが点灯し、点灯後2.0秒後-4.0秒以内にDLC3の13(TC)⇔4(CG)端子間を短絡する。

    7. DLC3の13(TC)端子⇔4(CG)端子間を短絡してから2.0-4.0秒後にウォーニングランプが消灯し、消灯後1.0秒以内に正常コードが出力されるか確認する。
    8. □ 参 考 □
      正常コードが出力されない場合は、ダイアグコードが消去されていないので再度行う。


  10. コネクター機能
  11.  
    機構名
    該当コネクター
    (a)
    ターミナル二重ロック機構
    コネクター(2)、(4)、(6)、(7)、(8)、(10)、(11)、(14)、(18)、(20)
    (b)
    半かん合検出機構
    コネクター(1)、(2)、(3)、(4)
    (c)
    半かん合防止機構
    コネクター(6)、(8)、(11)、(14)、(20)
    (d)
    コネクター二重ロック機構
    コネクター(17)
    (e)
    コネクターロック機構
    コネクター(10)、(16)
    (f)
    ターミナルショート機構
    コネクター(2)、(4)、(9)、(12)、(13)、(15)、(19)

    1. ターミナル二重ロック機構
      1. ターミナル保持力を向上し、端子抜けを防止する機構。
      2. コネクターはハウジングとスペーサーの2ピース構造で、ターミナルの保持をランス(一次ロック)およびスペーサー(二次ロック)の二重で行う。

    2. 半かん合検出機構
      1. コネクターが確実に接続されているかどうか電気的に検出する機構。
      2. コネクターが完全かん合すると接続される半かん合検出ピンを使用し、センサのインプット側とアウトプット側を直列に接続することにより、エアバッグセンサASSY CTR(コンピューター)に電流を流し、半かん合状態を検出している。コネクター内壁に傾斜部が設定されており、コネクター接続時、かん合検出ピンはこれに沿って差し込まれる。そしてコネクターが完全に差し込まれると、かん合検出ピンは傾斜部からはずれてターミナルに接触する構造となっている。

    3. 半かん合防止機構
      1. コネクターの半かん合を防止するための機構。
      2. 完全かん合していないとスプリングによりスライダーを介し、相手側コネクター(オス)を押し返して、確実に導通しないところまで相手側コネクターを押し返す。

    4. コネクターの二重ロック機構
      1. この機構は、コネクター同士(オス、メス)を二重でロックすることで接続の信頼性を向上させている。一次ロックがされていないと、凸部が邪魔して二次ロックができない構造となっている。
    5. コネクターロック機構
      1. コネクターの抜けを防止する機構。
      2. コネクターのロッキングボタンをロックすることによりロッキングボタンのツメが相手側コネクターの側面溝にかかり、確実にコネクターが接続される。

    6. ターミナルショート機構
      1. コネクターをはずすと、エアバッグの電源側ターミナルとアース側ターミナルが自動的に短絡する機構。
      2. コネクター内部にはショートスプリングプレートが設けられており、エアバッグ側が閉回路(両ターミナル間に電位差が発生しない)となり、整備作業上の誤作動を防止する。


  12. ターミナルショート機構の解除
    1. 端子と同等の厚さ(0.5mm)の紙を使用して、コネクターのショート機構を解除する。
    2. ■ 注 意 ■
      • 端子およびショートスプリングを損傷するおそれがあるため、端子と異なる厚さの紙を使用しない。
      • トラブルシューティングで指示のない限りコネクターのショート機構を解除しない。

      □ 参 考 □
      エアバッグシステムの点火回路のコネクターには静電気などによる誤作動防止のためショート機構付コネクターが用いられ、コネクターを解放した状態では、エアバッグ側の端子が短絡する。