ECU制御システムのトラブルシューティングの方法 新ダイアグシステム
  1. 概要
    1. 新ダイアグシステムとは、高度化・複雑化するTCCS、BEAN等車載エレクトロニクスシステムに対応した新しい故障診断システムである。この故障診断システムの機能は、診断ツールS2000により活用できる。

  2. 診断ツールS2000の機能
    1. この新ダイアグに対応した診断ツールS2000には、下表に示す機能がある。
    2. 機  能
      概        要
      基本点検
      エンジン、ECTの基本点検が可能(エンジン、ECTのみ)
      トラブルシュート
      • ダイアグコードの読み取り、消去、モード選択が可能
      • フリーズフレームデータの読み取りが可能
      ECUデータモニター
      ECUデータの確認、記録、再生が可能
      アクティブテスト
      アクチュエーターの任意駆動が可能
      カスタマイズ
      イルミネーテッドエントリーシステムのタイマー時間の変更等、ユーザーの要望にあわせた設定が可能
      汎用計測
      デジタルテスター(電圧、抵抗、パルス)およびオシロスコープ機能を搭載
  3. 対応コンピューター・センサー
  4.  
    エンジンコントロールECU
    スキッドコントロールECU
    センターエアバッグセンサ
    ダイアグノーシスコード読み取り(ノーマルモード)
    ダイアグノーシスコード読み取り(チェックモード/テストモード)
    ○(※1)
    フリーズフレームデータ
    (故障発生時のコンピューターデータ)読み取り
    ○(※2)
    コンピュータデータのリアルタイム読み取りおよび保存/表示
    アクティブテスト
    カスタマイズ
    □ 参 考 □
    *1:テストモ-ド
    *2:正常作動時のフリーズフレームデータを読み取れる。

  5. 診断ツールS2000の使用方法
    1. 車両との接続
      1. 運転席足元付近に設置のDLC3(データリンクコネクターNo.3)に接続する。

    2. 診断ツールS2000の操作
      1. 診断ツールS2000の電源スイッチをONすると、メニュー画面が表示されるので、実施したい項目を任意に選択し、それ以降画面と対話をしながら作業を進める。

  6. ダイアグノーシスコネクターについて
    1. 新ダイアグシステム採用に伴いDLC3(運転席インパネ下部に設置)に機能を集約しました。
    2. DLC3の端子名称と機能
    3. 端子名称
      機能
      BAT
      バッテリー電源
      WFSE
      ECUプログラム書き換え
      CANL
      CAN通信
      TC
      ダイアグコード(ランプ)出力指示
      TAC
      エンジン回転数出力
      SIL
      各コンピューターとの新ダイアグ通信
      CANH
      CAN通信
      CG
      ボデーアース

  7. エラー発生時の処置について
  8. ■ 注 意 ■
    S2000の電源インジケーターが点灯しない、またはメニュー表示時に新ダイアグ対応の全てのECU名を表示しない場合は、以下の点検を行い故障箇所を修正する必要がある。

    1. S2000の電源インジケーター不灯
      1. 他の車両にS2000を接続し、S2000を起動する。
      2. 作動状態
        不具合箇所
        点検箇所
        S2000の電源
        インジケーターが点灯する場合
        車両側
        1.DLC3 BAT端子の電圧点検
        2.DLC3 CG端子⇔ボデーアース間の導通点検
        S2000の電源
        インジケーターが点灯しない場合
        S2000本体


    2. メインメニュー表示時に新ダイアグ対応の全てのECU名を表示しない。
      1. IGスイッチおよびS2000の電源スイッチを一度OFFし、再度S2000を起動し「戻り」キーを押してメインメニュー表示させた時、全てのECU名を表示しない場合は、他の車両にS2000を接続しメインメニューを表示させる。 
      2. 作動状態
        不具合箇所
        点検箇所
        全てのECU名を表示しない
        S2000本体
        (含むカード)
        S2000が正常に作動する場合
        車両側
        1.DLC3の通信ラインSIL端子とジャンクション間の導通点検
        2.DLC3の通信ラインSIL端子とジャンクション間の+B、アースとの短絡
      3. IGスイッチおよびS2000の電源スイッチを一度OFFし、再度S2000を起動し「戻り」キーを押してメインメニュー表示させた時、一部のECU名を表示しない場合。
      4. 作動状態
        不具合箇所
        点検箇所
        一部のECU名を表示しない
        車両側
        1.DLC3の通信ラインSIL端子とジャンクション間の導通点検
        2.DLC3の通信ラインSIL端子とジャンクション間の+B、アースとの短絡
        3.非表示ECU+B、アース点検
        4.非表示ECU交換
        5.DLC3のWFSE端子とエンジンECUのWFSE端子間の+B、アースとのショート(TCCSを表示しない)